起業・独立への挑戦を
成功に導く情報サイト

コラム 融資

融資は個人より法人の方が有利なのは本当か?(融資第3話)

吉田 学

株式会社 MBS コンサルティング

吉田 学 さん

株式会社 MBS コンサルティング代表取締役。日本融資アナリスト協会副理事。「資金調達サポート会」主宰、主な著書に「税理士・会計事務所のための創業融資支援ガイド」(中央経済社)「社長のための資金調達 100 の方法」(ダイヤモンド社)他、著書多数

これから創業される方の中には、「個人で創業するのか?法人で創業するのか?」と悩んでいる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

もしかしたら、「個人より法人の方が資金調達においては有利である」と思っている方が多いかもしれません。実際、そのように主張している専門家もいます。

しかしながら、創業融資においては、法人か個人かはあまり関係ありません。一般的には、「個人より法人の法の方が、信用力が高いので融資を受けやすい」と思われているようです。完全に否定するわけではありませんが、実務において、創業融資についてはさほど関係ありません。

何しろ「法人で創業する」という場合は、大抵、「自己資金が少ないので、法人設立すれば創業融資が受けやすくなる」という間違った認識を持っているようです。

以下のケースを比較してみてください。

<事例>

個人開業 Aさん 法人開業 Bさん(法人の資本金:10万円)
自己資金:500万円

希望資金調達額:500万円

自己資金:10万円

希望資金調達額:500万円

皆さんも常識の範囲で考えてみてください。全く同じ事業計画だとして、もし、皆さんが銀行員だったら、どっちに融資したいですか?

果たして、Bさんが法人設立をしたから信用力がある、と判断しますか?しませんよね。Aさんの方が自己資金をしっかりと準備されているので、起業を目指してがんばってきたのではないか、と容易に判断できます。よって、法人のBさんより、Aさんに貸したくありませんか?

金融機関もこの点については同じ考え方です。よって、法人のBさんより個人のAさんの方が融資を受けることのできる可能性は高いです(だからといって絶対的にBさんが無理というわけではありません)。自己資金ってそれくらい大切な審査要因なのです。個人か?法人か?というのはあまり関係ないと思われます。

しかしながら、「業種・業界特性や取引上において法人にする必要がある」というケースがあるでしょうから、その場合においては、法人設立は必須になります。

吉田 学

株式会社 MBS コンサルティング

吉田 学 さん

株式会社 MBS コンサルティング代表取締役。日本融資アナリスト協会副理事。「資金調達サポート会」主宰、主な著書に「税理士・会計事務所のための創業融資支援ガイド」(中央経済社)「社長のための資金調達 100 の方法」(ダイヤモンド社)他、著書多数

© 2025 起業の知恵袋 Powered by AFFINGER5